苫米地 英人 2016-02-07
変性意識という言葉自体が初めて聞いたが、通常状態の覚醒状態といわゆる火事場の馬鹿力という緊急事態に引き出される変性意識状態があり、この火事場の馬鹿力を催眠によって自在に引き出されるようにすることへの解説本。
抜粋
- 人間の意識状態には覚醒状態と変性意識状態があります。
- この世で最も深い変性意識状態とは睡眠
- 催眠術者の腕前とは、他人を催眠に陥れる技術のことをいうのではなく、被催眠者をリラックスさせて自ら催眠を受け入れる準備が整うように導くこと。これが催眠術者の腕前なのです。
- 催眠によって引き出せる力はあくまで自分が持っている力だけ
- 変性意識状態の定義は酩酊状態であるとか、そういったことではなく、人間の意識が物理空間ではないところに臨場感を持った瞬間から始まるのです。
- 催眠はホメオスタシス
- サスペンス映画を見ながら手に汗を握る。酸っぱい食べ物を想像しただけで口の中にツバが湧いてくる。こういったことは情報空間に対してホメオスタシスが働いた結果です。
- 臨場感をより感じる世界に対して、ホメオスタシスは発動する
- 「おいしい」という味覚情報は嗅覚、視覚、聴覚といった情報を統合したもの
- そもそも動物にとって食べ物がおいしい必要はありません。 苦かろうが、まずかろうが、生存にとって必要であれば摂取する。 それが食べるという行為です。
- 人間はいま五感を、危険を察知するためではなく、おいしいか、おいしくないかなどの高度な情報処理のための器官としてのみ使用している
- 変性意識状態とは素直な幼児の心で、そこに暗示を入れるから、それを実現させるべく全力で取り組むのです。だから、潜在能力が発揮される
- 人には自分が意識できる意識状態と自分では意識できない無意識状態があり、意識できる状態を「顕在意識優位な状態」といい、意識できない状態を「潜在意識優位な状態」といいます。 この「顕在意識優位な状態」と「潜在意識優位な状態」の間にあるのが「催眠状態」であると私は定義
- 過去の記憶は顕在意識と潜在意識の間の変性意識状態の中にすべて埋蔵されていますから、過去の記憶にアクセスするためには変性意識状態になる必要があるのです。
- 思い込みを剥がしていくと、最終的には素直で正直な素の自分が出てきます。自分の中から出てきた気付きが魂、良心であり、それが人を本当に癒やす力になります。
- 本当のペーシングとは無意識に上がってない世界で相手と自分が同じことをしていることをいうのであって、そのために必要なことは同じ臨場感空間を無意識レベルで「共有」することです。
- 自分の能力の限界は自分のイマジネーションの限界です。